出典:マザーハウス 公式サイト
皆さんはバッグが欲しい、ジュエリーやアパレルの商品が欲しい時に自分好みの商品をインターネットで探したり、口コミを見たりすることがありますよね。
今回は有名なマザーハウスというブランドに注目してみました。
マザーハウスは日本全国に展開しているだけでなく、台湾や香港、シンガポールにも店舗がある有名なブランドで、バックからジュエリー、アパレルまで幅広い商品を扱っています。
山口絵理子さんという方が「途上国から世界に通用するブランドを作る」という理念を掲げ、2006年にバングラディシュからスタートしました。
マザーハウスはシンプルなデザインが多く、落ち着いた大人のイメージがありますが、実はインターネットで検索してみると「怪しい」「宗教くさい」「ダサい」などのネガティブな言葉が出てくるのです。
実際はどうなのか、本当に怪しいブランドなのかを調べてみました。
マザーハウスが胡散臭いと言われる理由(考察)
マザーハウスというブランド名①
マザーハウスは2006年にバングラディシュで現地特有の麻(ジュート)を使用した商品の販売からスタートしました。実は同じバングラディシュに「マザーテレサの家」つまりマザーハウスがあるのです。
みなさんもご存知のとおり、マザーテレサはカトリック教会の修道女で、貧困や病に苦しむ人々への救済に生涯を捧げ、ノーベル平和賞を受賞した人です。
そんなマザーテレサの家と同じ名前がついている(ブランド名もそこからつけられた)ので、宗教と何か関わりがあるのではと推測されているのかもしれません。
マザーハウスというブランド名②
マザーハウスと検索すると、意外とブランド以外のマザーハウスもたくさん出てきます。
先述したとおりマザーハウスはマザーテレサの家の名前ですので、それに由来した慈善活動などを行っている会社や団体も多く存在し、初めてインターネットでマザーハウスと検索した人の中には、それらをブランドのマザーハウスと勘違いしてしまう人もいるかもしれません。
途上国の素材、職人を採用している
ホームページをみると、「途上国から世界に通用するブランドを作る」という理念にもあるようにバングラディシュからスタートさせたマザーハウスはバングラディシュでは革や麻、ネパールはシルク、カシミヤ、ウールなど、ミャンマーはルビー、インドネシアに昔から伝わる線細工の技術、スリランカのカラーストーン、インドの手紡ぎ、手織りの生地カディなど、途上国の素材や伝統、職人技術などを用いて生産されており、素材から生産過程まで徹底したこだわりを感じますよね。
しかし、ひねくれた見方をすると、マザーハウスは途上国の素材や伝統、職人技術を使用することで、安い賃金で生産して、先進国で高く売るという悪どい商売をしているのではないか、途上国の人を食い物にしているのでは?と思われる人もいるのかなという感じです。
ダサいという声
こちらも先述したように、マザーハウスの商品はシンプルなデザインが多いように思います。革の製品は質感や時間が経つと変化する色などを楽しむためにシンプルなデザインで作られていることが多いため、マザーハウスもそうしたシンプルなデザインの商品がよく目につきます。
もちろんマザーハウスのオンライストアを見てみると、革製品だけでなくジュエリーやアパレルもありますので、革製品だからという理由にはなりませんが。
しかし、ジュエリーやアパレルも奇抜なデザインはあまりなく、こちらもシンプルなものが多いように感じますね。
シンプルなデザインをダサい、物足りないと感じる人も中に入るかもしれませんがそれは一個人の意見にすぎないと思います。
土屋鞄との比較
革製品といえば土屋鞄も有名で、こちらもシンプルな革製品を多く販売しているブランドです。
土屋鞄は1965年にランドセル作りからスタートしたブランドで、こちらは革の製品をメインに販売しています。
土屋鞄は歴史も長く、知らない人はいないのではないかと思うほどの有名ブランドですので、同じ革製品を扱うブランドとしてはどうしても比較されがちですよね。
しかし、商品を探す人にとっては色々なブランドの中で、どれが自分好みかを比較するのは当然のことです。
身につけるものは個人の好みが大きく出るものですから、社会的に比較されるものではないように思いますよね。
創業者 山口絵理子氏
マザーハウスの創業者は山口絵理子さんという方で、マザーハウス代表取締役兼チーフデザイナーです。
最貧国のバングラディシュに興味を持ったのが始まりで、バングラデシュBRAC大学院開発学部修士課程に入学し、在学中に三井物産のダッカ事務所にてインターンを経験。
その後、政府による開発援助のあり方に疑問を感じ、アジアの最貧国バングラディシュの素材(ジュート)を使用した製品を作り、日本で販売したのが始まりです。
その後も山口絵理子さんは女性起業家として本の出版や「情熱大陸」などのテレビ出演など多くのメディア活動もされています。
バングラデシュで学校に行くことができない子どもたちにスクールバッグを提供する事業を企画したり、2007年11月に発生した大規模なサイクロンにより被害を受けたバングラディシュに毛布・鍋を被災地の人々に配布したりと慈善活動も積極的にされているようで、山口絵理子さんには「社会起業家」という肩書きがついています。
しかし、本人は「社会起業家」という肩書きには戸惑いを感じていると話されています。
とても素晴らしい活動で、なかなか実行に移すことができないことですが、山口絵理子さんのように、途上国などに向けて慈善活動する人のことを偽善だと批難する人は一定数いるのも事実で、そんな人が呟いたマイナスな言葉がインターネット上で独り歩きしているのかもしれません。
先進国でも欧米に店舗がない
日本以外にも店舗があるマザーハウスですが、2023年現在では欧米に店舗はありません。
これらの理由は分かりませんが、2006年に創業した日本、2011年に進出した台湾、2015年に香港、2019年にシンガポールと、着実に販売国を広げています。
これからの何年後かの未来には欧米諸国にも進出していくのではないでしょうか。このままで止まるようなブランドではない気がしますね。
マザーハウスは胡散臭い?私の考えまとめ
マザーハウスが胡散臭いと言われる理由について考察してみましたが、私の個人的な意見としては、理念も素晴らしく、着実にその理念を現実のものにしている創業者の山口絵理子氏は信念を持った本当にすごい人なんだろうなという感想です。
理念や慈善事業について、ひねくれた考えの一部の人がインターネット上に呟いた「胡散臭い」という言葉が独り歩きしていることで、マザーハウスというブランドをよく知らない人たちにマイナスなイメージを持たせてしまったのではないかと。
実際にインターネットでマザーハウスを検索すると、ネガティブな言葉より「素晴らしい」「お気に入り」「可愛い」「すごい」などのポジティブな言葉の方が圧倒的に多いのも事実です。
ホームページには現地ツアーなどでお客様が生産国へ行き、生産の過程を実際の目と心で見ることができたり、生産地工場のスタッフを日本に招待してイベントでお客様と交流したりと、スタッフの夢を後押しするような機会をたくさん提供しいるようです。
なかなかこのような活動をしている企業は少ないのではないでしょうか。
個人で受注生産しているのでなければ顧客側が生産者に会える機会というのはあまりないものですので、顧客側もどんな人が関わっているのか、どんな素材でできているのかを知ることで商品に愛着が沸きますし、大切にしようという思いも強くなりますね。
身につけるものは個々の好みもあり、それぞれが自由に選択できるものですので、マイナスな言葉を発信するのではなく、認め合っていきたいものです。
マザーハウスにはこれからも大きく成長していって欲しいですね。