皆様は、「脳科学者」という言葉を聞いたことはありますか?
もしかしたらテレビやラジオの番組などに、この「脳科学者」という肩書きで登場している先生を見たことがある方もいるかもしれません。
本をたくさん出版されている中野信子さん、バライティ番組などにもよくご出演される茂木健一郎さん、澤口俊之さんは、特に脳科学者として一般的にもよく知られている方々ではないでしょうか。
まだ解明されていないところも多いと言われている脳を、専門的に研究していらっしゃる先生方ですから、多くの方々からも尊敬を集めるご職業であることを推測します。
しかし実は、この「脳科学者」を胡散臭いと感じている人が多いことがわかりました。
今回は、その理由と思われる内容を紹介していきます。
脳科学者が胡散臭いと言われる理由(考察)
理由1.脳については解明されていないことが多い
脳の働きや機能は未知の領域が多いと言われています。科学的に証明するには根拠が不十分なことも。今もまだ実験研究中の内容なのにもかかわらずメディアを通して、脳のすべてがわかっているかのように語ることはおかしいという声があります。
メディアなどによく登場する著名な脳科学者の方は一般向けの著書をたくさん出版されていますが、脳科学の概論的な専門書は出されていないそうです。
つまり、世に認められている脳科学の研究論文のようなものを見たことがないということで、「科学ではなくファンタジー」であると、そのあたりのところに胡散臭さを感じている方も多いようです。
本当は研究論文もあるのに見せていないだけなのか、英語の論文だから一般人の目に触れるところに出ていないだけなのかはわかりません。
でももしあるのならば、そういった実績も一般人の目に触れるところで紹介してもらえたら、今の印象も変わるかもしれないですね。
理由2.メディアで活躍している方が多い
脳科学者の方は、出版をされている方も多いですが、メディアに登場している方も多いです。
これに対しても、本当に脳科学者で研究を続けているのであれば、テレビに出ている暇などないと、その脳科学者の仕事の内容に疑問を持たれている方が一定数いるようです。実際の研究者の方からもそのような声があります。
脳科学者だからこそマルチに、脳をフル回転で生産性も高く、研究もテレビ出演も軽々こなすことができているのだろうかとも思っていましたが、実はけっこう時間に余裕があるからということもあるのでしょうか。
ただ脳科学者として出演されている方々は個性的な方が多いように感じています。そのお話もぶっ飛んでいたり、しぐさで脳の傾向が分かるみたいなお話は一般的にも興味深い内容であったりもするので、バライティ番組と相性がよいというのもあるかもしれませんね。
本当は忙しいけど、なんとか時間を作って出演しているのか。時間に余裕があるから、依頼に応じて出演しているのか。そこはちょっと判断できません。
理由3.科学的なデータが少ない
理由1で述べたことと近いところもありますが、やはり科学的なデータの少なさを指摘している方は多いです。
思い込みによって脳を洗脳するとか、脳トレで脳の一部を刺激するなどという、もっともらしい主張はありますが、そのデータや統計が明確に示されていないという点を指摘する声です。
脳科学者と名乗るからには、当然実証されている研究も存在するはず。メディアなどでも語っている内容の詳しい実験データが示されれば、脳科学を胡散臭いと感じている人たちの見方も変わってくるのではないでしょうか。
科学と言っているわけですから、明確な根拠、実験データをしっかり見せていただきたいですね。
理由4.茂木健一郎さんを嫌っている人が多い?
ここまでも何度もあげているようにメディアに登場している脳科学者の方は多いのですが、特に茂木健一郎さんに対して、胡散臭さを感じている方が多いということが分かりました。
茂木健一郎さんについて、特に胡散臭いと感じられている内容を取り上げていきます。
①「日本のお笑いはオワコンだ」という内容をTwitter(現X)で発信して反感を買う
実際にはつぎのような発信でした。
トランプやバノンは無茶苦茶だが、SNLを始めとするレイトショーでコメディアンたちが徹底抗戦し、視聴者数もうなぎのぼりの様子に胸が熱くなる。一方、日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン。
引用元:茂木健一郎
この内容が、ネットで炎上してしまったという出来事がありました。当然日本のお笑い芸人さんや、お笑いファンを敵に回すことになってしまったようです。
このような発信をしながらも、実は寄席などにも通うコアなお笑いファンでもあったという茂木さん。
寄席では、落語や漫才に、時事ネタや政治批判が盛り込まれるそうですが、日本のお笑いではなぜテレビで時事ネタをやらないのか、という思いが、発信に繋がったようですが、なかなかその真意は伝わらなかったようです。
②岡田斗司夫さんが茂木さんをディスっている?
プロデューサーで、評論家、ご自身のYouTubeの発信でも活躍している岡田斗司夫さんが、茂木さんをディスっているように見える動画があります。
岡田斗司夫さんが茂木健一郎さんと対談した際に、どうも話がかみ合わなかったようで、その時の受け答えの様子を詳しく語られております。
茂木さんの司会ぶりを、「昔の自分を見ているようで…」、という言い方もされていますが、岡田さん自身かなり笑いながらお話されているところもあり、茂木さんをディスっているようにも見えます。
また、この動画には岡田さんの発信に共感するコメントが多く、この発信によって、更に茂木さんに対する違和感のようなものが顕著になった方も多かったようです。
岡田さんの発信が影響して、茂木さんに対しての違和感が、胡散臭いになった方もいるだろうと感じました。
③『アハ体験』は、茂木健一郎さんが考えたものではない?
茂木健一郎さんと言えば、『アハ体験』が有名です。「なるほど!」と感じるひらめきの体験のことを言うそうですが、実はこの『アハ体験』、茂木さんが提唱したものではないそうです。
実際はドイツの心理学者の方が提唱した『Aha-Erlebnis』というものなのだそうで、過去にも、作家の瀬名秀明さんなどに指摘をされています。
茂木さんがテレビなどでその話をしていたから、茂木さんが提唱したものなのだろうと思っている方は多いと思います。
よく考えてみれば、「アハ体験は自分が提唱した」という言い方をしているところは見たことがないので、視聴者が勝手に茂木さんが提唱したのだと思い込んでいたという捉え方もできるかもしれません。
でもできればそういうところはちゃんと視聴者を誤解させないような説明があってほしいものですね。
④約4億円の所得の申告漏れがあった
2009年11月、2008年までの3年間に、茂木さんの約4億円の所得の申告漏れがあったことが報じられました。
メディアへの出演に、出版に講演、あれだけお忙しいのに、なんとご茂木さんが自ら確定申告をされていたようです。茂木さん本人は税理士さんに依頼する暇もなかったという言い方をされていたそうですが、さすがにそれは言い訳にはならないですよね。
この報道に対しては経済学者の野口悠紀雄さんからも、「強い怒りを覚えた」など厳しい批判の声がありました。
当然、世間の信頼を失う出来事ではあったと考えられます。
脳科学者は胡散臭い?私の考えまとめ
いかがでしたでしょうか。
脳科学者が胡散臭いと言われる理由について紹介していきました。今回調べてみて分かったことは二つあります。
まず一つ目は、脳科学や脳科学者がかなり掴みどころのないものであるということです。
科学であるのに根拠が明確でない、科学者なのに、研究実験の実績が見えないなど、不明瞭な部分があることが、胡散臭いと言われる原因に繋がっているのではないかと思いました。
ただこれに関していえば、もしかしたらどこかに脳科学について、きちんとした根拠になるものがあるかもしれないので、不明瞭だからと言って、はっきりと批判することはできないと考えています。
でももしあるのであれば、もっと私達一般人にも見える形で、メディアなどでも根拠を紹介してほしいですね。それがあれば脳科学、脳科学者の印象も変わっていくのではないでしょうか。
二つ目は、脳科学者が胡散臭いと感じている方の中には、脳科学者茂木健一郎さんの影響を強く受けている方が多いということです。
茂木さんの伝え方や行動に違和感を持ち、茂木さんに対して胡散臭いと感じて、「脳科学者は胡散臭い」に繋がっている方もいるようです。
茂木さん自身は、そのような世間の雰囲気もそこまで気にしているようには見えないですが…。むしろ、楽しんでいるようにも見えます。
脳科学者というよりは、良くも悪くも世間をにぎわせるエンターテイナーのようです。
ある意味そのようなエンターテイナー的な存在だからこそメディアから必要とされているのかもしれないですが、ぜひ脳科学者としての茂木さんの活躍をもっと見てみたいですね。
今後は、脳科学と脳科学者について、不明瞭な部分を詳しく明確な根拠を持ってわかりやすく伝えてくれる茂木さんの活躍に期待して見ていきたいと思います。